ヤンキーくんと白杖さん

「ヤンキーくんと白杖さん」

 

今の所今年一番感動した漫画。

タイトルだけだと白杖さんとイチャコラしつつ、

ヤンキーくんのギャップやシュールなギャグに笑える系と思われると思います。

実際そっちもあるっちゃあるけど、

このお話の伝えたいことは

「世界には様々な人がいて、偏見や独断ではなく、その人を見て理解しよう」とか「世界を一面で見るのをやめよう」っていうことじゃないかと思う。

(一言にまとめるのが下手くそ)

 

んで、そのモチーフがヤンキーとJKかつラブコメってだけだと思う。

このラブコメっていうのも味噌だったりするがまたすごい。

 

このお話はいわゆる「今」の世間で言うところの少数派側のお話になる。

・顔に傷があることで偏見をもって見られる青年

弱視の少女

・同性愛者

・障害者を家族に持つ人

・暴力を日常的に受けてきた人

・元引きこもり

ざっと上げるだけでこんな感じ。

 

最初の青年と少女がこのお話のメインになる。

少しエッセイみもありつつ、弱視のJKと顔に傷があることで偏見を持って見られてきた青年が生活の中で起こる問題を徐々に片付けていく、みたいな話。

 

正直このマンガを面白いうというのは不誠実かもしれない。

障害者の方、一見多数派、所謂普通と呼ばれるものに見えるけど恋愛対象が同性とか元引きこもりとか。

そういった今の世間だと少数派の人が抱えている問題が描かれているから、

面白いというのは誠実じゃないと思う。

 

それでもいいたい。この漫画は面白い。

今までまさに自分が偏見をもって障害者の方を見ていたこと、

一見「普通」に見えるけど少数派の人たちが隠していた、表に出せなかった気持ち。

それが個人的には今までみた作品の中で一番共感できる形で描かれている。

それが「驚き」「発見」につながって、面白い。と思う。

 

この漫画に登場する人の多くは少数派に属するわけだけど、

そういった人が自分と同じ悩みを持っていること、同じことをできること。

まさしく「同じ人間なんだ」と知れるきっかけになった。

それと同時に自分では気づくことができない日常な些細な不便が、彼らにあることを知った。

 

例えば目が見えない人はトイレを流すのも一苦労という話。

水洗のスイッチが彼られには探すのが大変。

ボタンやレバーがどこにあるのか、自動なのか、そういった私達には当たり前にできることが彼らには難しいらしい。

言われてみれば当たり前のことなんだけど、

自分にとっては当たり前にできるからこそ気づくことができない、

彼らにとって困ったこと、というのが描かれていて、本当にためになる。

 

弱視以外の問題を抱えている話が描かれているのも面白い。

特に感動したのは「同性愛者」の人の話と「会社の構造を変えたい」話。

この2つが良かった。

 

特に会社の構造を変えたい話は、

なんというか、めちゃめちゃ自分にも当てはまってて涙が出た。

 

そういうのを読んでいくと本当に世界は偏見に満ちていて、

それでいて、他人も自分と同じ人間なんだと気付ける。

そんな不思議な話だった。

まだ続くみたいだからこれからも頑張って欲しいなぁって思う